「筋トレで1種目5セットはやりすぎ?」
「効率よく筋肉を成長させるには、何セットこなすのが良いのか知りたい」
本記事ではこのようなお悩みを抱えた方に向けて書いています。
本記事は「筋肥大」を主眼において解説します。
(最大重量を伸ばしたい、という方はこの記事の内容は最適でない可能性があるので、ご注意ください。)
筋肥大においては「総負荷ボリュームを稼ぐことが正義」という近年の研究結果を参照し、「ジャンクボリューム」という視点も含めて解説していきます。
- 初心者で効率よく筋肥大したい方
- 中級者以上で停滞してきた方
それぞれに向けて適切なセット数、1週間あたりのトレーニングボリュームにも言及します。
この記事が皆さんのトレーニング計画立案の参考になれば幸いです。
この記事を書いた人
- 筋トレ好き30代サラリーマン男
- 仕事と筋トレを両立しながら5年以上(ジムトレ、家トレ両方)
- ズボラでめんどくさがりな性格
- 5年ほどで体重同等でウェストが絞られた、それなりの身体をゲット
途中何度もモチベの波に飲まれてはしがみつき、なんだかんだ習慣化。
そんなズボラでボチボチトレーニーなわたしが、自分なりにたどりついた
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筋トレで5セットはやりすぎなのか、最適なセット数とは
筋トレで5セットは決してやり過ぎではないが、上限に設定するのが無難だという主張を、
総負荷ボリューム、ジャンクボリューム
という2つの視点から考察していきます。
総負荷ボリューム
近年の研究では、
1週間当たりの総負荷ボリューム
が筋肥大に大きく影響を及ぼしており、頻度は筋肥大に影響しないことが指摘されています。
例えばベンチプレスを50kgで行っている人を例にとります。
- 50kg×10レップ×5セット×週2日 = 5,000kg
- 50kg×10レップ×2セット×週5日 = 5,000kg
これら2パターンでは、1日5セットを2日でやるのと、2セットを5日間に分けて取り組むのとで異なりますが、トータルのボリュームは一致しています。
これら両者の間に、筋肥大効果に差はない、というのが近年の研究で明らかになっていることです。
「それなら、5セット以上やってもトータルでボリュームを稼げば問題ないってこと?」
このような考えになると思います。
そこでさらに2つ、「筋疲労」と「ジャンクボリューム」という観点を加えてみていきます。
筋疲労
- 50kg×10レップ×5セット×週2日 = 5,000kg
- 50kg×10レップ×2セット×週5日 = 5,000kg
筋肥大効果が同じだとして、どちらのほうが効率が良いと思いますか?
1日で5セットをこなすというのは、現実的に可能でしょうか?
おそらく多くの方は、「No」と答えるのではないでしょうか。
セットを重ねるごとに筋肉に疲労が蓄積し、後半のセットでは10レップが挙がらなくなっていく方がほとんどだと思います。
(もちろん1RMに対してどれだけ余裕のある重量で行うかにもよりますが、ここでは10レップが何とか挙げられる重量としてとらえてください。)
しかし、1日2セットだけにして、それを週5日に分けたらほとんどの方はこなせるのではないでしょうか。
このような観点から、1日5セットは「やりすぎ」の領域に入る可能性があります。
ただし人によっては何とか5セットならこなせる、という方もいらっしゃると思います。
細かく分けた方が良いってこと?
でも週に5日も筋トレできないよ・・・1日でがっつり鍛えたいんだけど
このような方は、1日で5セット、それ以上こなしても良いと思います。
その際、ボリュームを稼ぐという観点で、徐々に重量を落としていくのも考慮に入れてください。
例えば以下のような感じです。
1set目 | 2set目 | 3set目 | 4set目 | 5set目 | トータル | |
---|---|---|---|---|---|---|
パターン① | 50kg×10回 | 50kg×10回 | 50kg×8回 | 50kg×5回 | 50kg×3回 | 1,650kg |
パターン② | 50kg×10回 | 50kg×10回 | 45kg×10回 | 40kg×10回 | 40kg×8回 | 2,170kg |
徐々に重量を落とした後者の方が、トータルボリュームは稼げているので筋肥大効果は大きいということになります。
ここまでをまとめると、1日に5セットがやりすぎという明確なラインはないが、多くの人は疲労で同じレップをこなせなくなる、という観点で「やりすぎ」になる可能性がある。
1週間でトータルボリュームを多く稼ぐ、という観点でメニューを組みましょう。ということになります。
ここで終わっても良いのですが、さらにもう1つ、「ジャンクボリューム」という観点も論じます。
ジャンクボリューム
1日に多くのセット数をこなして、ボリュームを稼ぐのが正義、という話をしてきました。
では、1日で行うセット数に限界はあるのか?〇セットを超えるとそれ以上は意味がない、むしろ逆効果になったりしないのか?
という疑問が浮かび上がってきます。
実は、それ以上行っても意味がない「ジャンクボリューム」というのが存在する可能性があります。
詳しくは以下の動画で解説されています。
この動画では、運動学博士の「ジェームズ・クリガー」博士の研究結果にて、
1日に「7セット目」を超えると筋肥大効果が頭打ち、むしろ逆効果になる可能性がある、と主張しています。
この研究結果に驚かれた方もいらっしゃると思います。
え!?じゃあ「胸の日」といかいってベンチ5セット、ダンベルプレス5セット、ペックフライ5セットとかやっているけど、後半の種目、意味ないってこと??
このように思われる方も居ると思います。
もちろん、この研究結果は一つの重要な主張として受け入れる必要があるかもしれませんが、ただしまったくもって無意味なセットは存在しないと、この動画では主張されています。
わたしもそう思います。
分割法
筋トレ中級者以上の方、またボディビルダーの多くの方は「分割法」という鍛え方をルーティンにしています。
これは、1日で1部位を中心に鍛えるというものです。
例えば月曜は胸の日、火曜は背中、木曜に脚、土曜日は肩、といった具合に。
そして各日10~20セットはこなす方がほとんどだと思います。
先ほどのジャンクボリュームの観点では、7セット目以降が完全に無意味ということになり、ほとんどの方が無駄なトレーニングをしていることになります。
しかし、多くのビルダーの方は人間離れした肉体を手に入れている現実があります。
7セット目以降が完全に無意味だった場合、あんな身体は作れるでしょうか?わたしは不可能だと思います。
はじめに論じた「総負荷ボリューム」という観点もあわせると、いくらジャンクボリュームといえど、稼いだボリュームは筋肥大に貢献してくれるはずです。
以上の観点で、「ジャンクボリューム」は完全に無駄なものというわけではなく、「効率が低下するポイント」と捉えた方が良いと考えます。
1日5セットを上限にセットを組みたてる
以上を踏まえると、1日で1部位当たりに組むべきセット数は、
5セットを上限
にするのが良いのではないかと思います。もちろんただの目安であって、これ以上鍛えてボリュームを確保するのもまったくもって問題ないと思います。
筋疲労の面で3セット目あたりから重量は落ちるかと思いますが、その場合は重量を落としてレップを稼ぐことで対策しましょう。
筋トレで5セットはやりすぎではない、最適な筋肥大ルーティン
総負荷ボリュームの重要性と、筋疲労、ジャンクボリュームという観点を紹介してきました。
- 5セットは決してやり過ぎではない、ただし筋疲労で回数が落ちる場合は重量を落としてボリュームを確保する
- ジャンクボリュームの観点から、1日5セットを上限に据える
というのがここまで書いてきた結論です。
ここからはもう少し深掘って、初心者・中級者以上に分けてどのようにメニューを組み立てるべきか考察していきます。
初心者は1日3セットで十分
初心者の場合、1日に5セットもこなさなくても、十分に筋肥大していけます。
むしろ1部位5セット行ってしまうと、多少なりとも他の部位のトレーニングに影響をきたします。
たとえばベンチプレスを5セット行い、次に背中のラットプルダウンをするとします。
ラットプルダウンのメインは広背筋ですが、上腕三頭筋などもサブとして使われます。
ベンチプレスでも上腕三頭筋はサブで使われますので、その疲労は引き継がれます。
するとラットプルダウンのパフォーマンスが低下してしまい重量を稼げなくなる恐れがあります。
初心者の場合は、各部位3セットを目安にするのが良いのではないでしょうか。
1週間のトータルセット数
1日に3セット鍛えるとして、週に何日行い、トータル何セット行えばいいのでしょうか?
1日あたりのジャンクボリュームは7セット目以降とされていますが、週単位ではどうなるのかという研究結果は発表されていません。
したがって、週単位ではとにかく多くのセット数をこなした方が良い、という観点に立ちます。
となると3セット×7日 = 21セット/週
と言いたいところですが、さすがに毎日は無理なので、
3セット×4日 = 12セット/週
を目安に据えるのが良いと思います。
2日トレーニング ☞ 1日オフ ☞ 2日トレーニング ☞ 1日オフ
このようなルーティンを組めば、およそ週に4~5日トレーニングでき、12~15セットをこなすことができます。
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中級者以上は1日5セット以上鍛えても良い
初心者のうちは週に12~15セット程度をこなせば、ほぼ間違いなく筋肥大していくでしょう。
しかし中級者以上になってくると、話は変わってきます。
週に15セット程度では筋肥大していかない可能性があります。
これは、「収穫逓減(しゅうかくていげん)の原則」と言われます。
あなたが成長するにつれて、あなたの筋肉が求めるハードルも当然ながら上がっていくわけです。
もちろん扱う重量がアップしていく前提ですが、それでも成長ペースは鈍っていきます。
このような場合は、週に1部位あたり20セット以上、場合によっては30~40セットこなしても良いです。
その場合、1日あたりジャンクボリュームぎりぎりの6セットを、週4~5日こなせば、週に24~30セットはこなせます。
先ほど言ったように後半から重量を落としてボリュームを稼ぐ、あるいは2種目各3セットにする、という組み方にしても良いでしょう。
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重点を置く部位にフォーカス
とはいえ、全部位を各日6セットこなす、胸・背中・肩・脚4部位に対してトレーニングすると考えると
1日4~8種目24セット
もこなすことになります。さすがにハードすぎるので、
成長させたい部位にフォーカス
するのがおススメです。
例えば大胸筋にフォーカスするなら大胸筋は各日6セット、脚はキープできればいいと考え、週に1回程度に抑える、など。
大胸筋がある程度成長したら、フォーカスを今度は脚に充てて、大胸筋を少なくする、といった具合に変化をつけます。
トレーニング計画を立てる
中級者以上になったら、目標とトレーニング計画が非常に大切になってきます。
例えば今月のテーマは「大胸筋の成長」。
という目標を立てるとします。するとその月は大胸筋にフォーカスしてトレーニング計画を立てます。
ご自身のトレーニングに行ける頻度や休息日を考慮して、日々の種目とセット数に落とし込んでください。
1ヶ月経ったら、自身の身体や重量の成長度合いを振り返り、翌月のテーマと目標を決める。
これを繰り返して、全身の筋肉を成長させていくと良いと思います。
重量や筋肉のサイズが伸びていなければ、基本はトレーニングボリュームを増やす。
まずはこちらを検討しましょう。
それでも伸びない場合は休息を入れるだとか、食事量を増やす、などの別の対策が必要になります。
ただし重量アップを狙う場合、単純にボリュームを増やすだけでなく、トレーニング重量とレップ数に変化をつける、などの工夫が必要になってきます。
本記事は「筋肥大」という観点で、「総負荷ボリュームを稼ぐ」ことが正義という視点になって論じてきました。
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全身法か分割法か
ここまでは、全身法(1日で全身を細かく鍛える)前提で論じてきました。
全身法か分割法、どっちがいいの?
と思う方もいらっしゃると思います。
あくまでも「筋肥大効率」という観点でいくと、「全身法一択」になると考えています。
これはあくまでも「総負荷ボリュームが筋肥大量を決め、かつジャンクボリュームが存在する」という研究結果が正しいというスタンスで主張するなら、です。
分割法では1日1部位を10~20セットこなすため、筋疲労でボリュームが落ち、かつジャンクボリュームにも引っかかってしまいます。
どう考えても各日細かく全身を鍛えた方が良い、ということになります。
しかし、分割法でとてつもない肉体を手に入れている人は数多く存在し、むしろ著名なボディビルダーの方はほとんど分割法を取り入れている印象です。
ゆえに、
- 研究結果を信じるならば全身法が良いが、過去の実績で見るなら分割法で成長できないというわけではない
- これまでのビルダーの方が全身法で鍛えていたら、もっと短期間で同じ身体を手に入れられていたのかもしれない
- 今後全身法が多くのトレーニーに取り入れられたら、主流の鍛え方は変わるかもしれない
というのが現時点でのわたしのスタンスです。
本記事の内容も1つの参考程度にとらえ、ご自身で試してみて、合う鍛え方を取り入れてもらうのが一番かと思います
忙しいサラリーマンに向けて
高頻度で全身を鍛えるのが良い、は分かったけど、そんな高頻度でジムに行けないんだよなあ
このように、忙しいサラリーマンの方も多いと思います。
その場合はもう、ジャンクボリュームは気にせず1回のトレーニングで頑張ってボリュームを稼ぐようにしましょう。
「総負荷ボリューム」が正義であることには変わりがないと思っているので。
もしくは、自宅で筋トレに取り組める環境を構築するのも手です。
忙しい平日は自宅でダンベルトレーニングを。週末はジムに行ってがっつり鍛える。
というルーティンもアリだと思います。
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本記事の結論としては、
1部位あたり1日5セットを上限目安に、週に4~5日鍛えるのが最も効率が良い
とします。(あくまで筋肥大効率の観点)
各部位1日あたり1~2種目か。どの種目がおススメ?
このように思われる方のために、個人的おススメ種目を紹介します。
- 大胸筋:ベンチプレス、ダンベルプレス
- 背中:懸垂、ラットプルダウン、ダンベルロウ
- 肩:サイドレイズ、ショルダープレス
- 脚:スクワット
- 体幹:デッドリフト
- 腹筋:アブローラー
このあたりです。全て網羅できているわけではありませんが、各種目の重量レベルだったりやり方などを以下の記事で紹介しています。
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